映画『ゴジラxコング 新たなる帝国』はどこで配信している？無料で見るには？

まずメインキャラが前作の脇役だった女性なので最初は若干戸惑うが、見ていくとすぐにこれは「コング」が主役の物語なのだなと納得する。ドクロ島でたった一頭の生き残りとして暮らしてきたコングが、地下世界に自分と同じ巨大ゴリラ達の集落を発見するも、暴君に支配されている過酷な状況に激怒し立ち向かっていく。「英雄譚」の王道パターンの展開で、しかも一回敵に負けてピンチからのパワーアップと、かつての強敵(ゴジラ)との共闘という流れは日本の少年漫画にも通じるものがあり多くの人がワクワクすると思う。バトルの仕方も結構工夫されていて、ゴリゴリのパワータイプのコング達とずる賢くトリッキーな動きで翻弄してくるスカーキングの対比が面白い。

ゴジラ-1.0を観たあとだったので、どうしてもゴジラが主役の映画のような先入観が働いてしまいましたが、こちらはアメリカの映画でアメリカのモンスターの代表格と言えばキングコングでした。そのことに気付いたのは映画が始まってからで、コングが虫歯をいたがっていてそれを大きな義歯でもって治療するというシーンや、治った後のコングの楽しそうな姿の描写が続いて、ゴジラが全く出てこないストーリーによって気付きました。でも、それは全く不満ではなく、コングたちが言葉を発しなくて仕草と表情だけで細かな感情を表現していたのがとてもよかったです。とくにスーコが湖で水浴びするふりをしてコングを騙して湖にすむモンスターに襲わせようとしたところの目の動きなどがとてもよかったです。
終盤はありきたりな戦いでしたが、ゴジラを最強としてリスペクトしてくれていて安堵しました。

一応コングが主役の作品ですが、ゴジラがメインに見えてくるほど存在感が抜群で流石ゴジラだなと思いました。最後の敵であるスカーキングは狡猾な性格をしていて、強さというより知能とずる賢さでコングたちに向かっていくのも敵らしくて良かったです。ゴジラといえばのしのし動くイメージがありましたが、この作品のゴジラはだいぶ俊敏に動きますので、新しいゴジラのイメージを産み出してくれたと思います。人間ドラマ要素はなるべく削って、怪獣たちの戦うシーンを多めにしてくれているのもこの作品の良いところです。他にもいろんな種類の怪獣たちが出てくるので、怪獣好きにとってはたまらないですし、ハリウッドのCG技術を堪能できるのが良かったです。